第2回:目標設定 〜成果を上げるための目標の立て方〜

前回、第1回:幸せの習慣(経営者のマインドセット)に続く、コラムをお届けします。
目標を持たずに進むことの危うさ
経営者、起業家、個人事業主として事業に取り組む中で、目標設定の重要性を考えたことはどれほどあるでしょうか?
もちろん、「目標を持つことが大事だ」という話はあると思います。
しかし、私はこれまで多くの経営者やリーダーたちと関わる中で、「本当の意味で目標を理解し、活用できている人」は意外と少ないと感じています。
目標を「単なる数値目標」や「会社から与えられたノルマ」として捉えている人は少なくありません。
目標とは「自分がどの方向に進むべきかを示す羅針盤」 であり、「行動の原動力」 となるものです。
目標がないまま進むことは、地図のない航海に似ています。
どこに向かっているのか分からないまま、ただ日々の業務に追われ、気づいたら本来進みたかった方向とはまるで違う場所にたどり着いている
——そんなことになりかねません。
「目の前のことに全力を尽くせば、道は開ける」と言う人もいます。
しかし、方向性を見誤ったまま全力疾走することほど、無駄なことはありません。
努力が報われない最大の理由は、「間違った目標」に向かって走っていることに気づいていないからなのです。
では、どうすれば「本当に意味のある目標」を立て、それを実現することができるのでしょうか?
目標設定の本質
目標設定というと、多くの人が「売上を伸ばす」「事業を拡大する」「顧客数を増やす」といった、定量的な目標を思い浮かべるかもしれません。
それ自体は間違いではありませんが、それだけでは不十分です。
「目標」とは、単なる数字ではなく、「どのような自分になりたいのか」を示すもの であるべきです。
「売上10億円を達成する」という目標を立てたとします。
しかし、そこに「なぜそれを達成したいのか?」という意図がなければ、その目標はただの数値にすぎません。
「売上を伸ばした先に、どんな価値を生み出したいのか?」
これを考えずに目標を立てても、途中でモチベーションを失い、目標が形骸化してしまいます。
私はこう考えます。
「目標とは、自分の内側から生まれるもの」 であり、「自分の価値観や信念と一致していること」 が重要なのです。
例えば、次のような問いを自分に投げかけてみてください。
- この目標を達成することで、誰の人生が良くなるのか?
- この目標を達成することで、自分はどのような成長ができるのか?
- この目標に対して、自分は本気で情熱を持てるか?
目標とは、単に「結果」ではなく、「意義のあるプロセス」でもあるのです。
成果を生み出す目標設定のポイント
では、具体的にどのように目標を立てれば、成果につながるのでしょうか?
私は、「達成すべき目標」「成長のための目標」「価値を生む目標」 の3つの視点を大切にしています。
1. 達成すべき目標(成果目標)
これは、いわゆる「数値目標」にあたる部分です。
売上や顧客数、利益率など、具体的な数値として設定する目標です。
しかし、重要なのは「その数値が本当に自分の成長につながるものか?」という視点を持つことです。
例えば、「年商10億円を目指す」と掲げたとしても、その目標が単なる「見栄」や「周囲からの期待」に基づくものであれば、長続きしません。
大切なのは、その目標が自分のビジョンと一致しているかどうか…です。
2. 成長のための目標(プロセス目標)
成果目標を達成するためには、どのような行動が必要なのか?
これを具体的に明確にすることが、成長のための目標です。
例えば、「売上を10億円にする」という目標に対して、
- 新規顧客獲得のために、毎月30件の商談を行う
- 既存顧客との関係を強化するために、月に2回フォローアップミーティングを実施する
- マーケティング戦略を見直し、SNSでの発信を週3回行う
こうした「行動レベル」の目標がなければ、成果目標はただの願望で終わってしまいます。目標設定において最も大事なのは、具体的な行動に落とし込むことなのです。
3. 価値を生む目標(意義目標)
この目標は、最も重要な部分かもしれません。
「この目標を達成することで、どんな価値を生み出すのか?」 を考えることです。
例えば、「売上10億円を達成する」の裏には、
- 「社員により良い環境を提供し、働きがいのある職場を作る」
- 「社会に貢献し、より多くの人の人生を豊かにする」
- 「家族や大切な人との時間を確保し、充実した人生を送る」
といった、より本質的な目的があるはずです。
この「意義」をしっかりと持っている経営者は、目標に対するブレが少なく、長期的な視点で成長し続けることができます。
そして、目標を達成に必要なマインドセットとは?
1. 目標は「修正」しながら進める
最初に立てた目標が、100%正しいとは限りません。
状況が変われば、目標も変わるのが自然です。むしろ、大切なのは「目標を持ち続けること」。必要に応じて軌道修正しながら、常に前進し続けることが重要です。
2. 目標達成の「過程」も楽しむ
目標を立てたとしても、達成するまでには必ず困難が伴います。しかし、その困難こそが成長の機会です。「このプロセスをどう楽しむか?」という視点を持つことで、前向きに目標に向かうことができます。
3. 目標達成の先にある「本当の幸せ」を見つめる
目標を達成したときに、自分は本当に幸せだと感じるのか?
目標を立てるときには、その先にある「自分の理想の生き方」を見つめることも忘れてはいけません。
まとめ
- 目標は「単なる数値」ではなく、「意義のある方向性」である
- 「成果目標」「プロセス目標」「意義目標」 の3つの視点を持つ
- 目標は修正しながら進める
- 過程を楽しみながら取り組む
- 目標の先にある「本当の幸せ」を見つめる
次回は、「計画の実行力を高めるアクションプラン策定」について掘り下げていきます。
お楽しみに。


