組織が「音を立てて」崩れる前に——

リーダーが向き合うべき、静かな崩壊の予兆
組織が壊れるとき、そこには必ず「予兆」があります。
しかし、そのシグナルは驚くほど静かに、そして見逃されやすい形で現れます。
なぜなら、目の前には常に「人(組織)」以上に優先すべき、緊急の課題があるからです。
1. 衰退による離散、成長による空洞化
事業が右肩下がりのとき、組織は「壊れる」というよりも、砂がこぼれ落ちるように「人が離れていく」ことで形を失います。
「このままでは危ない」と分かっていても、打てる手がない無力感。
そんな時こそリーダーシップが必要だと言われますが、現実はそう簡単ではありません。
リーダーを支える右腕、左腕となるメンバーの存在が不可欠であり、何よりリーダー自身の「人としてのあり方」が問われる正念場となります。
一方で、事業が絶好調な時こそ注意が必要です。
「イケイケ」の勢いを止めまいと、急ピッチで採用を進めるものの、組織の器(文化や教育)が追いつかない。
この場合、組織はすぐには壊れません。
しかし、内側からじわじわと「空洞化」が進み、ある日突然、芯が腐っていたことに気づくのです。
2. 「パチン!」とゴムが切れる瞬間
最も恐ろしいのは、限られたリソースで限界まで走り続けてしまうケースです。
組織の限界点とは、個々のメンバーの「がんばり」の集合体です。
「まだいける」「みんながんばってくれているから」
リーダーがそう信じ、メンバーの善意に甘えてしまったとき、限界は突然やってきます。
まるで引き絞られたゴムが「パチン!」と音を立てて切れるように、昨日まで動いていたチームが、ある日を境に機能しなくなる。
個人の限界の総和が見えないからこそ、この崩壊を予兆するのは非常に困難です。
3. 崩壊は「避けることができる」
組織の崩壊を経験した私だからこそ、伝えたいことがあります。
組織の崩壊は、未然に防ぐことが可能です。
大切なのは、どこに目を向け、どのタイミングでアクセルを緩める(あるいは形を変える)かの判断です。
数字や事業スピードだけではなく、その裏側にある「人の体温」や「心の張力」を観察すること。
孤独な決断を迫られるリーダーや経営者の皆さんが、ゴムが切れる前に「次の一手」を打てるよう、私は心から応援しています


